
ロバート・キヨサキ 著 · 1997
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表紙画像提供:Open Library
少年時代の著者に、金持ち父さんはまずわずかな賃金で仕事をさせ、やがて無給で働かせました。お金のために働くことの罠に気づかせるためです。多くの人は、お金がなくなる恐怖から働き、手に入ると欲しいものが増えて、また働き続けます。この恐怖と欲望に動かされている限り、給料が上がっても同じことの繰り返しです。無給になった著者と友人は、賃上げを求める代わりに、自分たちで稼ぐ機会を探し始めました。
実践のヒント 昇給を求める前に、働く時間を増やさずに収入を得る方法を一つ考えてみましょう。
すべての土台になるのが、資産と負債のシンプルな定義です。資産は自分のポケットにお金を入れてくれるもの、負債はポケットからお金を取っていくものです。この基準で見ると、ローンの返済や税金、維持費で毎月お金が出ていく持ち家は、資産ではなく負債になります。金持ちが買い集めるのは、自分がいなくても回るビジネス、株や債券、収益を生む不動産、知的財産からの収入などです。中流の人は、資産だと思い込んで負債を買ってしまいがちです。
実践のヒント 持ち物を一つずつ、お金を生んでいるか、お金を出ていかせているかで仕分けてみましょう。
収入が増えると支出も増え、いくら働いても同じ場所を回り続けることになります。これを、回し車の中を走り続けるネズミにたとえたのがラットレースです。貧乏な人は稼いだお金を支出に、中流の人は負債に回しますが、金持ちは資産に回します。抜け出す鍵は収入の額ではなく、お金の行き先です。資産から入る収入が毎月の生活費を上回れば、経済的自由に届きます。キヨサキは富を、働くのをやめても何日暮らしていけるかという日数で測ります。
実践のヒント いま収入が止まったら、貯えで何日暮らせるかを計算してみましょう。
多くの人は、請求書を払った残りを貯めようとして、結局何も残りません。金持ち父さんは順番を逆にします。収入が入ったら、先に資産づくりのためのお金を確保し、支払いはその後です。月によっては支払いが苦しくなりますが、金持ち父さんはその圧力をむしろ役に立つものと考えます。資産への積み立てを削るのではなく、足りない分を稼ぐ新しい方法を考えるきっかけになるからです。
実践のヒント 給料日に、貯蓄や投資へ自動で振り替わるように設定しましょう。
金持ち父さんは、それを買う余裕はないと口にすることを認めませんでした。その言葉は、考えることを止めてしまうからです。代わりに、どうすれば買えるかを自分に問いかけるよう教えます。問いの形にすると、頭が答えを探して働き始めます。学校はお金の知識(ファイナンシャル・リテラシー)をほとんど教えないため、この頭の使い方は自分で鍛えるしかありません。鍛えるべき分野として挙げられているのが、会計、投資、市場の仕組み、法律の四つです。
実践のヒント 買えないと思ったものがあったら、それを買える方法を三つ書き出してみましょう。
第四の教え「会社を作って節税する」で、著者は勤め人と会社の持ち主とでは税の仕組みが違うと説明します。勤め人は稼ぎ、税金を引かれ、残りで暮らします。会社を持つ人は稼ぎ、会社として経費を使い、残りに税金を払います。お金の知識に法律が含まれるのはこのためです。ただし本書が前提にしているのはアメリカの税制です。日本でそのまま使える方法としてではなく、考え方の方向として読むのが安全です。
実践のヒント 副業を小さな事業として始めたら何を経費にできるか、税理士に確かめてみましょう。
最後の教えは、給料の額よりも、何を学べるかで仕事を選ぶことです。金持ち父さんは、とくにセールスとコミュニケーションの力を重視しました。一つの分野を深く極めるより、事業のさまざまな部分を少しずつ知っているほうが役に立つ、とも考えます。若いうちに身につけた幅広い力が、やがて自分のビジネスや資産を育てる土台になるからです。
実践のヒント セールスや人前で話すことなど、伸ばしたい力を一つ選び、今月は意識して練習しましょう。
教えごとに 1 行ずつまとめました。貧乏父さんの列は、著者が手放すよう勧めるお金の考え方です。
| 教え | 金持ち父さん | 貧乏父さん |
|---|---|---|
| 金持ちはお金のためには働かない第一の教え | お金に働いてもらう恐怖や欲望ではなく、頭を使ってお金の判断をする。 | 給料のために働くよく勉強して、安定した給料と福利厚生のある会社に入る。 |
| お金の流れの読み方を学ぶ第二の教え | 数字を読めるようになるいくら稼ぐかより、いくら残るか。負債ではなく資産を買う。 | もっと稼ぐ収入が増えればお金の問題は解決し、持ち家は最大の資産だと考える。 |
| 自分のビジネスを持つ第三の教え | 資産の欄を育てる仕事は続けながら、自分の資産を本当のビジネスとして育てる。ぜいたく品は最後に。 | 勤め先の仕事がすべて会社でのキャリアに力を注ぎ、自分の資産づくりは後回しにする。 |
| 会社を作って節税する第四の教え | 持ち主のルールを知る稼いで、会社として経費を使い、残りに税金を払う。 | 金持ちはもっと税金を払うべき稼いで、税金を引かれ、残りで暮らす。 |
| 金持ちはお金を作り出す第五の教え | リスクを管理するお金の知識を使い、ほかの人が見逃すチャンスを見つけ、つくり出す。 | 安全を優先するリスクを避け、安全だと感じる場所にお金を置いておく。 |
| お金のためでなく学ぶために働く第六の教え | 幅広い力を身につける何を学べるかで仕事を選ぶ。とくにセールスとコミュニケーション。 | 専門を極める一つの分野を深く学び、安定した出世の階段を上る。 |
六つの教えを貫く基準: 資産はお金を運んできて、負債はお金を持ち去ります。まず資産を買い、欲しいぜいたく品はその資産が生む収入で買います。
読み返すより、思い出すほうが記憶に残ります。答えを見る前に考えてみましょう。
本書による「資産」の定義は何ですか?
自分のポケットにお金を入れてくれるもの。
本書が、持ち家を資産とみなさないのはなぜですか?
ローンの返済や税金、維持費などで、毎月お金が出ていくから。
「ラットレース」とは、どのような状態ですか?
収入が増えても支出も増え、いくら働いても抜け出せない状態。
回し車の中を走り続けるネズミにたとえています。
「それを買う余裕はない」と言う代わりに、金持ち父さんはどう考えるよう教えましたか?
「どうすればそれを買えるか」と自分に問いかける。
思考を止める言葉ではなく、頭を働かせる問いを使うという教えです。
実践マニュアルではなく、お金の考え方を変える本として読む価値があります。収入だけでは豊かになれない理由は印象に残りますが、具体的でいまに通じる助言は多くありません。