グレッグ・マキューン 著 · 2014
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マキューンは、忙しい人が抱きがちな三つの思い込みを挙げます。やらなければならない、どれも大事だ、全部こなせる、という思い込みです。エッセンシャル思考では、義務感ではなく自分で選んでやると決め、大事なものはごく少数だと認め、できることでも、全部は引き受けないと割り切ります。すべてに少しずつ手を出すと、どれも中途半端に終わります。重要な少数に力を集めることが出発点です。
実践のヒント 今週の予定から、なくても困らないものを一つ選んで外しましょう。
成果を上げた人ほど周りから声がかかり、選択肢も依頼も増えていきます。すると力が分散し、そもそも成功をもたらした集中が失われてしまいます。これが成功のパラドックスです。優秀な人ほど頼まれごとを断らずに引き受け、気づけば本当に大事な仕事に割く時間がなくなっています。順調なときこそ、何を引き受けないかを意識して決める必要があります。
実践のヒント 最近引き受けた依頼を振り返り、本来の目的に役立っていないものを一つ挙げましょう。
エッセンシャル思考の土台には、選択、ノイズ、トレードオフという三つの前提があります。まず、自分には選ぶ力があると自覚すること。忙しさに流されていると、選ぶ力があること自体を忘れてしまいます。次に、ほとんどのことは重要ではなく、ごく少数のことが大きな成果を生むと認めること。そして、何かを選べば何かを捨てることになるので、トレードオフから逃げずに意識して選ぶことです。
実践のヒント 迷っている案件について、それを選ぶと何をあきらめることになるかを書き出しましょう。
何が重要かを見極めるには、考えるための時間と空間が欠かせません。一人で考える孤独の時間、創造性を育てる遊び、そして十分な睡眠が、見極める技術として挙げられています。どれも忙しい人が真っ先に削りがちなものです。特に睡眠については、削って働くより、よく眠るほうが成果が上がるとされます。
実践のヒント 来週の予定に、誰にも邪魔されずに考える時間を 30 分入れましょう。
選択肢を選ぶときの基準が 90点ルールです。候補を 100 点満点で採点し、90 点に届かないものは 0 点とみなして切り捨てます。そこそこ良さそうな選択肢をとりあえず残しておくと、時間も力もそちらに取られ、本当に重要なことに回せなくなるからです。迷う程度のものは断る、というくらい厳しい基準で選ぶことで、残ったものに全力を注げます。
実践のヒント いま検討中の依頼や計画を一つ採点し、90 点未満なら見送りましょう。
捨てる技術の出発点は、具体的で意義があり、達成できたかどうかがはっきりわかる本質目標を決めることです。目標が曖昧なままでは、何を捨てるべきか決められません。そのうえで、頼みごとへの判断と相手との人間関係を切り離して考え、上手に断ります。一時的に好かれなくても、長い目で見れば尊敬につながるとされます。すでに費やした時間やお金を惜しんでやめられない罠にも注意し、余分なものは編集するように削っていきます。
実践のヒント 次の依頼には即答せず、本質目標に役立つかを確かめてから返事をしましょう。
最後の段階は、選んだことを無理なく実行するためのしくみ化です。所要時間は 1.5 倍で見積もり、予想外の事態に備えるバッファを確保します。大きな成果を一気に狙うより、小さな一歩を積み重ねて進歩を目に見える形にします。本質的な行動は習慣にして、努力しなくても自然に続くようにします。そのうえで、いまこの瞬間に何が重要かを問い続けます。
実践のヒント 次の締め切りまでの所要時間を 1.5 倍で見積もり直し、予定に反映しましょう。
本書の四部を、それぞれが答える問いと主な技術で一覧にしました。上から順に、前提を押さえ、重要なものを見極め、それ以外を捨て、残したことをしくみ化します。
| 部 | 問い | 主な技術 |
|---|---|---|
| 前提第 1 部 | 自分で選び、何かを捨てる覚悟があるか |
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| 見極める第 2 部 | 重要な少数はどれか |
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| 捨てる第 3 部 | 何をやめ、何を断るか |
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| しくみ化第 4 部 | どうすれば無理なく続くか |
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全体を貫く考え方: 重要な少数を選ぶことは、それ以外の多くを手放すことと同じです。
読み返すより、思い出すほうが記憶に残ります。答えを見る前に考えてみましょう。
非エッセンシャル思考の人が抱きがちな、三つの思い込みは何ですか?
「やらなくては」「どれも大事」「全部できる」。
選択肢を選ぶときの「90点ルール」とは何ですか?
選択肢を 100 点満点で採点し、90 点未満なら 0 点とみなして切り捨てること。
上手に断るために、本書が勧める考え方は何ですか?
頼みごとへの判断と、相手との人間関係を切り離して考えること。
断ることで一時的に好かれなくても、長い目で見れば尊敬を得られるとされます。
「バッファ」の章で本書が勧める、見積もりの工夫は何ですか?
所要時間を 1.5 倍で見積もること。
予想外の事態に備えて、あらかじめ余裕を持たせておきます。
仕事や予定を抱え込みがちなら、読む価値があります。何を減らすかを決める基準と、それを続けるための手順が一冊にまとまっています。