人は話し方が9割永松茂久
本要約

人は話し方が9割

永松茂久 著 · 2019

この本を 3 行で要約

  1. 『人は話し方が9割』は、プレゼンや営業の話し方ではなく、家族や友人、職場の人との毎日の会話を扱った永松茂久の本です。
  2. 話し方の上達を左右するのは話術よりも心の持ち方で、相手を否定せず、安心して話せる場をつくることが好かれる会話の土台だと説きます。
  3. そのための具体的な方法として、相手の話を広げる拡張話法の 5 ステップや、避けたい言葉と話題を紹介しています。

読了時間 4 分 · 無料、アカウント不要

『人は話し方が9割』の要点

技術より先に、心の持ち方

話し方の上達を左右するのは、話術よりも自己肯定感などの心の持ち方です。そこで、会話に苦手意識がある人に勧められているのが、苦手な人との会話を避け、大好きな人と話す時間を増やすことです。話しやすい相手との会話で自信がつけば、ほかの人とも話しやすくなります。うまく話す練習は、話す相手を選ぶところから始まるわけです。

実践のヒント 今週、一緒にいて楽な人と話す時間を、意識して 1 回増やしましょう。

会話の土台にある三つの心理

著者が会話の土台に置くのは、三つの人の心理です。人は誰でも自分自身を一番大切に思っていること。認められたい、理解されたいと強く望んでいること。そして、自分をわかってくれる人を好きになること。だからこそ、会話では自分が目立とうとするより、相手を主役にするほうが好かれます。具体的なコツの多くも、この三つの心理から導かれています。

実践のヒント 次の会話では、相手が主役になれる話題を一つ選んでから話し始めましょう。

否定しないことが最大のルール

会話で何より大切なのは、相手を否定しないことです。否定されない場があると、人は安心して話せるようになり、自己肯定感も高まっていきます。反対に、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」の四つは、相手の話を否定する響きを持つため、本書ではまとめて 4D ワードと呼び、使わないよう勧めています。口癖になっていると、自分ではなかなか気づけない言葉です。

実践のヒント 1 日だけ 4D ワードを封印し、口にしかけた回数を数えましょう。

拡張話法で話を広げる

聞き役にまわるときの基本の反応は、笑顔でうなずくことです。そのうえで、相手の話に反応を返して話を広げ、気持ちよく話してもらうための方法が拡張話法です。驚きや感心を声に出す感嘆、相手の言葉をそのまま繰り返す反復、気持ちに寄り添う共感、行動や考えを認めてほめる称賛、そして話の続きを促す質問の 5 ステップです。

実践のヒント 次に誰かの話を聞くとき、相手の言葉を一度そのまま繰り返してから返事をしましょう。

話すより聞く、悪口より明るい話

理想は、相手に多く話してもらい、自分は聞き役にまわる配分です。相手が話している途中で話を奪い、自分の話にすり替えるのは、やってはいけない行為として挙げられています。話題の選び方にも気を配り、陰口やその場にいない人の悪口は避けます。代わりに勧めているのが、ほめ言葉や前向きな言葉、心が温まる話を中心にしたプラストークです。

実践のヒント 相手の話に自分の体験をかぶせたくなったら、先に質問を一つ返しましょう。

言葉の奥で伝わるのは感情

言葉の奥で本当に相手に伝わっているのは感情です。だから、言葉の内容だけでなく、その裏にある気持ちを受け止めることが大切になります。そして本書が最後に説くのは、どんな話し方の技術よりも、相手の幸せを願う気持ちが大切だということです。拡張話法や 4D ワードは、その気持ちを会話の形にするための道具と考えるとよいでしょう。

実践のヒント 次の会話では、相手の言葉の裏にある気持ちを想像し、それに合った一言を返しましょう。

『人は話し方が9割』の早見表:会話ですること・避けること

本書の会話のルールを、場面ごとに「すること」と「避けること」に分けて並べました。どれも、相手が安心して話せる場をつくるためのものです。

場面すること避けること
話す相手大好きな人と話す
  • 話しやすい相手との会話で自信をつける
苦手な人との会話を無理に続ける
反応する否定しない
  • まず受け止める
  • 笑顔でうなずく
4D ワード
  • でも
  • だって
  • どうせ
  • ダメ
話を聞く拡張話法
  • 感嘆
  • 反復
  • 共感
  • 称賛
  • 質問
話を奪う
  • 相手の話を自分の話にすり替える
話す量聞き役にまわる
  • 相手に多く話してもらう
自分ばかり話す
話題プラストーク
  • ほめ言葉
  • 前向きな言葉
  • 心が温まる話
陰口・悪口
  • その場にいない人の悪口

拡張話法の 5 ステップ: 感嘆(驚きや感心を声に出す)→ 反復(相手の言葉を繰り返す)→ 共感(気持ちに寄り添う)→ 称賛(行動や考えを認める)→ 質問(話の続きを促す)。

理解度チェック

読み返すより、思い出すほうが記憶に残ります。答えを見る前に考えてみましょう。

  • 会話で本書が最も大切にしている基本ルールは何ですか?

    答えを見る

    相手を否定しないこと。

  • 本書が使わないよう勧める「4D ワード」とは何ですか?

    答えを見る

    でも、だって、どうせ、ダメ。

    どれも、相手の話を否定する響きを持つ言葉です。

  • 「拡張話法」とは何ですか?

    答えを見る

    相手の話に反応を返して話を広げ、気持ちよく話してもらうための聞き方。

    感嘆・反復・共感・称賛・質問の 5 ステップで構成されます。

  • どんな話し方の技術よりも大切だと、本書が最後に説くものは何ですか?

    答えを見る

    相手の幸せを願う気持ち。

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『人は話し方が9割』は読む価値がありますか?

会話に苦手意識があるなら、読む価値があります。難しい理論はなく、次の会話からすぐ試せることが中心です。

こんな人におすすめ

  • 人と話したあと、うまく話せなかったと落ち込みがちな人
  • 家族や同僚との何気ない会話を、もっと楽にしたい人
  • 聞き上手になりたいが、何から始めればいいかわからない人

拾い読みで十分な人

  • 会話術やコミュニケーションの本をすでに何冊も読んでいる人
  • 上の早見表で会話のルールを確認できれば十分な人

物足りない点

  • 著者の経験にもとづく助言が中心で、裏づけとなる研究やデータを求める人には物足りません。
  • 内容はシンプルで同じ主張の繰り返しも多く、すでに聞き上手な人には目新しさが少ないという声があります。
  • 身近な人との会話が中心なので、交渉やプレゼン、意見がぶつかる場面での話し方を学びたい人には向きません。

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